公開: 2022年10月24日
更新: 2022年11月23日
日本社会で古くから信じられていた祖先信仰的な神道に対して、飛鳥時代に朝鮮半島から普遍的な価値を説く仏教が我が国の社会にもたらされ、聖徳太子と呼ばれている厩皇子(うまやどのみこ)や蘇我氏(そがし)が、仏教の導入を進め、日本各地に寺を建立しました。しかし、人々の間では、古くからの祖先崇拝に基づいた神道と仏教の思想が入り混じった山岳信仰が熊野などで生まれました。
この山岳信仰では、仏教の場合の「僧侶(そうりょ)」ではなく、「修験者」と呼ばれる、白装束(しろしょうぞく)で。山にこもり、滝の水に打たれるなどの荒行(あらぎょう)を行って、修行(しゅぎょう)に励む人々が中心になります。そのような修験者は時と共に少しずつ増え、日本各地の険しい山々に籠って、修行に励むようになりました。特に、東北地方の山々には、数多くの修験者が籠るようになりました。